ロングステイ体験記NO9
マドリッド街歩き230km 

平成19(2007)年3月11日~4月5日[26日間]


マドリッド Madrid
旅は驚きと発見です。天下の絶景でなくともそこに人々の生活があれば旅人は十分満足します。
4回目のスペインはそんな意味で美術館以外に取り立てて観光資源のないマドリッドに滞在し街歩きを楽しみました。万歩計での計測では348,500歩、約230kmです。
マドリッドは16世紀から首都としての機能を持ち古いものと新しいものが見事に調和した楽しい街です。    
まず目についたのが1202年に定められたという市の紋章〔熊とマドローニュ=ヤマモモの木〕です。
マドローニュが転じてマドリッドになったと言われています。
ソル広場には待ち合わせ場所としても有名なクマの銅像があります。東京で言えば渋谷の忠犬ハチ公の銅像のようなものです。
そしてバス、タクシー、官公庁の建物の入り口、ゴミ箱、はては歩道やマンホールの蓋にまでどこにでもこの紋章を見ることが出来ます。





初めての格安航空券
今回の旅行では初めてインターネット上で格安航空券を買いました。
これまでの海外旅行ではオーバーブッキングで席がなかったり旅行代理店の突然の倒産の可能性などで〔格安航空券〕には一抹の不安があり多少割高についてもいつもJALの【前売り悟空】という正規割引航空券を買っていました。
今回のチケットの値段はヨーロッパ往復エコノミーで84,000円、これに燃油サーチャージや空港税などが加算され合計1人114,250円。  
便はKLMオランダ航空、アムステルダム乗換えで関空からマドリッドまで約16時間かかりました。
オランダ航空は格安航空券を手広く販売しているせいか学生さんが動く時期と重なったためか往復とも各便はすべて満席だったのは驚きでした。
KLMでは最近普及してきたe-ticketを採用しており従来のような5~6枚の分厚い紙を綴じたチケットは廃止され乗客は切符類を何も持たずに空港に行きます。
KLMのコンピューターに乗客のすべての情報が登録されているのでKLMのチェックインカウンターではパスポートを提示するだけで乗り継ぎを含めた目的地までの搭乗券をくれます。
特別に自分の好きな座席が欲しければ出発30時間前からインターネットチェックインというシステムで座席指定も出来、自分で搭乗券をプリントして持ってゆくことも出来ます。帰路の空港でも同様にパスポートの提示だけで搭乗券がもらえます。
ひと昔前までは考えられないほどの様変わりです。
ホテル事情
マドリッドのホテルは観光地バルセロナに比べれば20%程度割安な感じがします。
日本から直接ホテルへのインターネット手配の場合★★★★なら2人1室100ユーロ以上します。これに朝食と税金7%を加算すればまず130ユーロ以下のところはなかなか見つかりません。日本円では20,000円以上です。
ところが日本の旅行代理店で予約し日本円で事前支払いをすれば同じホテルの朝食付きが2人で14,000円程度で泊まれるのです。とても不思議なことです。
日本の旅行代理店のインターネットホテルリストには大抵の場合ホテルの立地場所や部屋の感じ、朝食の内容など今まで泊まったことのある人からのくちこみ評価が書いてありますのでその中からこれはと思うホテルを予約します。今回私達はこの方式で日本で予約しました。                                    
ただ25連泊はひとつのホテルでは空室がなく難しかったので前半15泊と後半10泊を別々のホテルにせざるを得ませんでした。
見たことのないホテルなので、ある程度【勘】を働かせて選ぶのですが部屋の程度や朝食は、★★★クラスでも大満足ということも多々あります。逆に★★★★でもがっかりのケースもあります。
今回前半に泊まったRafaelhoteles Ventas★★★は東京で言えば位置的には両国あたりの感じで地下鉄駅まで80mという交通至便、その上部屋もきれいで朝食がデラックスと大当たりでした。





料理の写真右下の果物の皿の中央にあるのはハネデューメロンの一種です。
甘みはそれほど強くありませんが99.9%水分で、やわらかく口に溶けとても美味でした。
シェフに聞いたら丸ままの物を見せてくれましたがブラジル産でした。  
レッテルの文字は鏡にでも映して読むのでしょうか不思議な配列になっています。
スペインは距離的にも近い旧支配国の中南米から食料品が大量に輸入されています。
そしてマドリッドでは東洋人によく似たペルーやボリビア山岳地帯などからの移民の姿もたくさん見かけました。






マドリッド写真散歩 古いもの、新しいもの、そして未来
伊の建築家サバティーニの代表作アルカラ門 市民の憩いの場マヨール広場
賑やかなソル広場とマドリット自治政府庁 自治政府庁の守衛 帽子はスペイン軍の制帽
マドリッド三大噴水のひとつシベーレスの噴水 レティーロ公園のアルフォンソ12世モニュメント
毎週日曜日開催の王宮を見る日本語ウォーキングツァー 贅を尽くした王の住まい・王宮
コロン広場のコロンブスの像 ンキホーテ像のあるスペイン広場 正面のスペインビルは改装中
マドリッド経済の中心アスカ地区 中央は国際会議場 国鉄アトーチャ駅 左側の半透明な建造物は2004年3月11日に発生し
左のビルは日本人の設計になるピカソタワー 右がヨーロッパタワー 死者191人を出した列車同時爆破テロ犠牲者の鎮魂モニュメント
マドリッドの北の玄関口国鉄チャマルティン駅 チャマルティン駅の西側では巨大ビル4棟の建設が同時進行中 
最高250mの高さで50km北西のエル・エスコリアルからもよく見える



美術館めぐり
マドリッドには世界に誇るプラド美術館やソフィア王妃芸術センターなど数多くの美術館があり1週間に一度無料開放されています。プラドは日曜日、ソフィアは土曜日の午後が無料です。
入場料はどちらも6ユーロ(約960円)しますのでこれが無料なら何度でも足を運んで世界の名画とともに過ごすことが出来ます。
プラド美術館 Museo Nacional del Plado
旅のバイブル【地球の歩き方】A21マドリッド(2006.9発行)によるとプラド美術館の絵画はノーフラッシュなら写真撮影OKと書いてありました。それを信じて館内で写真を撮っていたら注意されました。
おかしいな何かの間違いかなと思ってもう一度シャッターを切ったら係りの人に目をつけられとうとう退館するまで監視される羽目に陥りました。
日曜日は入場無料!早朝から長蛇の列で2時間待ち 貴重な館内写真 右側の手を上げた人が監視員
ベラスケス【ラス・メニーナス】
ソフィア王妃芸術センター
Museo Nacional Centro de Arte Reina Sofia
国鉄アトーチャ駅近くのこの美術館は古い建物に後から取り付けたシースルーのエレベーターが印象的です。
ここも無料になる土曜日の午後2時からは長蛇の列です。
ゲルニカは私の生まれた1937年の作品です。70年前ナチスドイツに爆撃されたゲルニカの町の悲劇をピカソはパリで描いたといわれています。
ソフィア王妃芸術センター スペインの国の宝 ピカソ【ゲルニカ】 幅7.8mの大画面です
王立サン・フェルナンド美術アカデミー
Real Academia de Bellas Artes de San Fernando

ソル広場から東に歩いて5分のところにひっそりと建つ美術館、ここはノーフラッシュなら撮影OKです。
水曜日が無料でコレクションも充実しています。人が少ないのでゆっくり見ることが出来る穴場です。
アルチンボルド【春】 一度見たら忘れられません ルーベンス【スサーナと老人たち】


世界遺産めぐり
スペインには現在フランスとの共通登録1ヵ所を含めて38件の世界遺産があります。
マドリッドから概ね200kmの日帰り旅行圏内には8件もの世界遺産があり列車やバスで手軽に行くことが出来ます。今回はそのうち6件を訪問、2回目のところもあります。
トレド Toledo
16世紀までスペインの首都でありそこで歩みを止めたトレドは今も当時と何も変わらず旅人を迎えてくれます。画家エル・グレコが愛した古い都の迷路をたどってみました。マドリッドからバスで1時間半、国鉄新幹線AVEならわずか35分です。
観光列車ソコトレン トレド外周からの展望は抜群 タホ川とトレド全景 16世紀にグレコが見たそのままの景色
スペインカトリックの総本山カテドラル サント・トメ教会にあるエル・グレコの名作【オルガス伯爵の埋葬】
アランフェス Aranjuez
ロドリーゴ作曲の【アランフェス協奏曲】はあまりにも有名。
プラタナスの並木と18世紀後半に完成した王宮それにタホ川に沿った庭園は2001年スペインで一番新しく36番目に登録された世界遺産です。マドリッド・アトーチャ駅から国鉄近郊線で40分です。
アランフェス王宮西側正面 王宮南側
王宮内部【アラブの間】 豪華な【玉座の間】
クエンカ Cuenca
マドリッドから南東180km、特急バスで2時間のところに、岩の上に突き出た"不安定な家"のある街クエンカがあります。
ここは丁度マドリッドとバレンシアの中間地点です。2005年バレンシア滞在中に訪れるつもりにしていたのですがその時は大雪で道路・鉄道とも不通になり今回やっと念願がかないました。
スペインの高速バスは乗り心地満点 崖の上に建つクエンカの旧市街
なるほど"不安定な家"と納得  下から見た方が迫力あり! 内部は抽象美術館
アルカラ・デ・エナーレス Alcala de Henares
マドリット・アトーチャ駅から国鉄近郊線で30分という近場にある世界遺産です。
紀元前1世紀からあるという古い街で、1483年に建てられたスペイン最古の病院アンテサナ病院があり、またドン・キホーテの作者セルバンテスが幼年時代を過ごした町としても有名です。
世界でも有数の歴史を持つ大学サン・イルデフォンソ学院 左からセルバンテスの家 ドンキホーテ像 アンテサナ病院
エル・エスコリアル San Lorenzo de El Escorial
マドリッドの北西50km、標高1000mの山すその避暑地です。
スペイン帝国を象徴する豪壮な修道院兼王宮はすばらしい眺めです。
天気がよければ王宮の右端遠くにマドリッド・チャマルティン駅に建設中の巨大ビルを見ることが出来ます。
スペイン国鉄renfe近郊 王宮全景・内部の見学に手間取るとこの景色を見逃す
アビラ Avila
エル・エスコリアルからさらに北西へ40km、アビラは町全体が万里の長城のような石の壁で囲まれた要塞都市です。
築後1000年を経ても今なお崩れた個所は見当たりません。
アルカサール門 城壁は高さ12m幅3m全長2600mある 町の西側アダハ川から見た城壁


デパート・スーパー・メルカード(市場)
私が最初にスペイン旅行をしたH6(1994)年スペインには2大デパートがありそれぞれが全国各地で競争していました。ひとつは〔エル・コルテ・イングレス〕もうひとつは〔ガレリアス・プレシアドス〕という名前でした。
2回目H13(2001)年に行った時には〔エル・コルテ・イングレス〕だけでした。
〔ガレリアス・プレシアドス〕はエルコルテに吸収されていたのです。以来今もってスペインのデパートはエルコルテのみです。
かつてマドリッドやバルセロナなどの大きな町では2大勢力が近接して店舗を構えていました。合併後もエルコルテが両方の店舗を使っていますので同じ名前のデパートが2~300m離れてもう一軒あるという奇妙な店舗構成になっています。

郊外のスーパーマーケットは日本のイオンやイトーヨーカドーのような巨大店舗が各地に展開されています。
代表的なものはエルコルテ系列のハイパーコル=HIPERCORやフランス資本で売り上げ世界ナンバー2といわれるカルフール=CARREFOURなどがあります。
しかし町の中心部では小規模の地域チェーン店がぽろぽろある程度でお惣菜やサラダ、サンドイッチといった完成品はほとんど見かけずすべて素材ばかりです。スペイン人は完成品ならバルで食べもっぱら食事は自宅で作るようです。
ところが面白いことに都心部には昔ながらの市場=メルカードが根強くがんばっています。大阪なら黒門市場、京都なら錦市場、金沢なら近江町市場のようなたくさんの生鮮食料品小売店の集合です。
バルセロナにはサン・ジュセップ市場のように観光化された市場がありますがマドリッドでは純粋に市民の市場です。とはいえグランビア通りの三越マドリッド店のすぐ裏にあるモステンセス市場やマヨール広場の南にあるセバーダ市場などは観光客でも気軽に訪れることが出来ます。

エルコルテ・アスカ店 広告パネルと車を見比べてください 街中のスーパーは目立たない


ラス・ベンタス(Las Ventas)
ある日ホテルの近辺を散歩中に偶然ラス・ベンタスという大きなメルカード=市場を見つけました。
外見はほとんど目立たないのですが広さはワンフロアーが2000平方メートルぐらいもある3階建ての巨大な建物です。
ここに野菜、果物、魚、肉、ハム・ソーセージ・チーズ、冷凍食品、お菓子、酒類、調味料などあらゆる食料品を扱う小売店が200軒も入っていて毎日物凄い活気です。
初めて入ったときはその質と量に圧倒されましたが見ていくうちに魚屋さんや肉屋さんの仕事ぶりが日本と違うのでつい見とれてしまい暇があるときはしょっちゅう通っていました。
庶民の台所メルカード【ラス・ベンタス】 鳥肉専門店スペインではご主人も市場へ
八百屋・値段は1kgあたりユーロ  商品構成は日本と余り変わらない
果物屋地元特産のイチゴや熱帯産の果物も多い 4kgで3ユーロだが〔4個〕が通じず4kgも買ってしまった
魚屋・手元の包丁はまるでギロチンのようです ヒレを落としたり内臓を出すのはもっぱらハサミ
ソーセージ専門店値段はいずれも1kgあたりのユーロです チーズ専門店・どれがどんな味か旅行者にはわかりません
肉屋・発色を考えた照明が見事 赤身の牛肉1kgが1200円~1300円なら安い
ハム屋・吊るされたものはすべて生ハム 最高級イベリコの生ハム1kg16,000円!
加熱燻蒸した最高級イベリコハム1kg4,100円 この質感、この味 私はこれを食べるためにスペインに来たのです
おまけ
今回の旅行では帰路アムステルダムから関空への飛行機が3時間も遅れました。
そのせいかいつもはロシアからハバロフスク経由で日本海に出て南下するルートを飛ぶ飛行機が、モンゴルのウランバートルから突如南下をはじめ北京の南を通過し天津、大連の南を東進しました。そしてソウルの上空を通って鳥取県の大山上空から岡山県美咲町そして鳴門大橋を経由して関空に到着しました。
10年ほど前にエールフランスに乗った時にもこのコースを飛びましたがヨーロッパ~日本間の所要時間に余り大差はありませんでした。
航路というものはパイロットの好みで変更できるものかどうか関係者に聞いてみたいものです。
今回のKLM便のコース 上空1800mからの鳴門海峡


スペイン・マドリッド街歩き230km終り


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