国内ロングステイ体験記NO3
2003秋田の冬祭り二題

平成15(2003)年2月8日〜2月21日[14日間]


以前テレビで紹介され一度是非見たいと思っていた秋田県の冬祭りのうち、西木村の【和紙風船揚げ】と横手市の【かまくら】に行ってきました。岡山からは片道およそ1200kmあります。
ボルボを購入した時にスタッドレスタイヤとチェーンも用意していましたが6年間で数えるほどしか使う機会がありませんでした。
スタッドレスタイヤも6年経つとゴムが硬くなり雪をつかむ力が落ちている可能性もありますよとタイヤ屋に脅かされながらも雪上運転がしたくてあえて車で出かけました。
マイナス35度用のウィンドウォッシャー液、ガラスの雪落とし、融雪スプレー、フロントガラス凍結防止シート等万全の冬支度です。


これだけあれば万全かな?


2月10日【西木村上桧木内の和紙風船揚げ】

雪道を予想して北陸自動車道利用で3日間かけて西木村に着きましたが道中路上に雪はなく、ある意味で期待はずれのドライブでした。
紙風船揚げの故郷・西木村上桧木内(ニシキムラ・カミヒノキナイ)は角館町(カクノダテマチ)から北へ約30キロ、田沢湖北西の山奥の集落です。
会場は雑木林の山を背にした広さ2ヘクタールの雪の原っぱ。多くの露店が立ち並び観光客も年々増えて今年は2000人以上が訪れました。
地元には小さな旅館と民宿が数軒あるのみなので、大半の観光客は2時間かかる秋田市からの日帰りツアーバスや角館町に宿を取って秋田内陸縦貫鉄道を利用しての観光です。
午後4時から学校単位の風船揚げ昼の部が始まりました。
十数個の紙風船に子供たちがいろいろな願い事を書いて飛ばします。
もちろん大人も手伝いますが大きな風船がどんどん揚がるのはとても面白く夜の部が待ち遠しくてなりません。
  子供達の風船打ち揚げ   煙が尾を引いてとてもきれい

辺りが暗くなった6時半、今度は大人たちの風船揚げの始まりです。
風船の構造は大きな業務用和紙を張り合わせ武者絵や美人画を手書きします。長さは3mから6m、大きいものなら13m、重さ10kg以上のジャンボなものもあります。
全体は円筒形で、熱風の入り口を直径1mから2mに絞り込み竹の輪を取り付け、その輪に針金を十字に結んで石油をしみ込ませたぼろ布を丸めた燃焼玉を固定すると完成です。
この和紙の風船にガスバーナーで熱した空気を吹き込み、パンパンに膨らんだところで燃焼玉に点火して3,2,1の掛け声と共に放しますが2〜300mはアッという間に上昇します。
しかし初速がかなり速いので暗闇の中デジカメでの撮影は困難を極めピンボケ続出でした。

バーナーで膨らます 次第に膨らんで・・


3,2,1で手を放す! アッという間に上空へ
紙風船が夜空を昇る情景はとても幻想的です。
ユラユラと風船は1000m近くも上昇して、やがて山のかなたに消えて行き、50km〜60km東の岩手県雫石町に落下するといわれています。
例年ならシンシンと雪降る中の行事です。でも今年は快晴で雪は降らず、気温はマイナス5度でしたが初めて見る行事に寒さはあまり感じませんでした。
こうして8時半までの2時間100個を超す紙風船の競演は続きました。
昔は「五穀豊穣」「家内安全」「無病息災」を祈って揚げた紙風船。今は「交通安全」や「合格祈願」も込められています。
紙風船揚げという夢とロマンを込めた西木村の冬の行事は集落ごとの競作で年末から制作が行われ地域の活性化に一役買っているとのことでした。



西木村の次は横手市のかまくらを見る予定を立てましたが、開催が15・16日なのでそれまで4日間は温泉三昧です。
田沢湖温泉郷に泊まり乳頭温泉郷までマイナス9度の雪の中をチェーンを巻いてドライブしたり、盛岡太田温泉、金ケ崎温泉に入ったり太平洋側の気仙沼漁港でマグロ料理を食べたりもしました。
    乳頭温泉郷    厚生年金ハートピア田沢湖

今回は真冬なので車の中に寝泊りするわけにもいかず主として厚生年金の宿と旅館を予約しました。
厚生年金の宿は各地にあり最近はどこも設備を一新してとても使いやすくなっています。
宿泊費も厚生年金受給者ですと夫婦とも20%割引があります(食費等は別)。立地にもよりますが洋室ツインで1人サービス料・税金込み\3601〜¥4851でリタイヤー族には特にお勧めです。


2月15日・16日【横手市のかまくら】

雪国秋田を代表する横手の「かまくら」は400年以上の歴史を持つ詩情豊かな民俗行事です。
かまくら一基は直径3,5m、高さ3m、15トンもの雪を踏み固めて作ります。
あまり寒いと雪がさらさらで固まりにくいので雪解けの季節が近い2月中旬、雪が十分水分を含んだ頃に、半年近く付き合ってきた雪との生活へのお別れの行事として行われるのです。一度固めた雪の山は一週間ほど放置されさらに硬く凍らせます。そのあと中をくり抜いて部屋を作り、中央に水神様を祭り、お神酒、甘酒、餅などを供えます。
内部は七輪やコタツの熱、そして人いきれで結構暖かく10度ぐらいまで上がりますが、壁と天井の厚みは50cmもあるので天井が落ちたり全体が崩れたりする事故はないそうです
1基に15トンもの雪が必要 天井の形が微妙に違う
横手市4万人の人口がこの期間中今年は53万人もの観光客であふれかえりました。
横手市は静岡県の富士宮市と並んで「やきそば」が有名なところだそうです。いわゆるソース焼きそばと中華の柔らかい焼きそばの中間のような味覚で、市内に50軒以上の店が味を競っています。
焼きそばといえば国内外を問わず必ず食べてみたい私としては、あわせて四軒もの店を食べ歩きましたがどこも納得の味でした。
  あちこちに立つ焼きそばの旗 ひき肉、福神漬、目玉焼きが定番


横手市内には5ヵ所のかまくら会場があり100基以上のかまくら、他に約1mほどのミニかまくらが河原や校庭に10000個以上も作られています。


幻想的な河原のミニかまくら すべてに明かりを灯すのは大変


入ってたんせ・・・
祭りの日取りは毎年15・16日の二日間とされていますが実は全部で四日間もの行事なのです。
14日が前夜祭で氏神様の【旭岡山神社】宮司さん宅前で撮影会が行われます。
かまくらのポスターに常に登場するのがここで撮影された下の写真です。
但しこのかまくらは16日の朝には取り壊されてしまい私たちは見ることが出来ませんでした。
又市役所近くのメイン会場のかまくらにも灯が入りますので本番前日でも十分雰囲気は味わえます。
観光客は15日が多いようで16日の夜は人通りも少なめでした。
16日の午前中は梵天(ボンデン)という行事も行われます。これは町内会や地区単位で梵天と呼ばれる長さ5mの丸太をいろいろな意匠で飾り立て美しさを競い合い、17日に【旭岡山神社】に奉納するという行事です。
今年は37本もの梵天が参加しました。
   趣向を凝らした梵天 一本30kg以上あります
梵天は前年から町内会や地区の人たちが寄り集まって丸太の上部の頭飾りと呼ばれる部分のデザインを考え制作に没頭するもので、ある意味では横手の市民にとってはかまくらよりも重要なお祭りなのかもしれません。
重量も30kgを超えるものでグループ全員が囃し立てる中を、タッタ1人で担いで郊外の【旭岡山神社】に奉納する勇壮な祭りは一見の価値があります。



横手からの帰途、山形県尾花沢市の銀山温泉に立ち寄りました。
TVドラマ【おしん】でおしんのお母さんが働いていた温泉といえばお分かりの方も多いと思います。
その昔銀鉱山で栄えた土地にある温泉で木造四階建て、塔屋つきの豪壮な老舗の能登屋旅館(重要文化財)やら、アメリカ人の女将がTVCMで「ニッポン人には日本が足りない」と説く藤屋旅館など、いま日本中でもっとも注目されている鄙びた温泉です。
行き止まりの道路の奥にある銀山温泉、雪の舞うこの日もたくさんの観光客で賑わっていました。
  木造三階建てがすばらしい銀山温泉

※は銀塩写真、他はデジカメの写真です。


今回の旅行は急な思い立ちでした。西木村の旅館も横手市の旅館も1月中旬に手配の電話をし、偶然キャンセルが出ていたのでうまく予約できましたが、普通は簡単には宿が取れないようでラッキーでした。
ロングステイとはいえませんが2週間の旅でしたのでこの項目で見ていただきました。


2003秋田の冬祭り二題終り


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