ロングステイ体験記NO4

ニュージーランド・北島編

平成13(2001)年9月23日〜11月9日[48日間]


NZの国花コーファイ NZのシンボルシダ


17年ぶりのNZ
昭和59(1984)年6月、朝のラジオワイド番組のパーソナリティをしていた私と聴取者108人という大観光団がオーストラリア・ニュージーランドを訪問しました。現在のパック旅行では1つのグループは30人どまりですので考えられないほどの大きなパックです。バス3台に添乗員3人と旅行会社の代表者それにグループリーダーの私と合計では113人です。当時のパック旅行ではまだまだオセアニアは日本人にとっては目新しい地域で募集を開始してすぐにこの人数になったのは驚きでした。8泊9日の日程でニュージーランドは3泊、オークランドとワイトモ洞窟のツチボタル、ロトルアの温泉地帯とマオリ村観光がコースの中心でした。

あれから17年、今回は夫婦だけの48日間という長逗留、平成9(1997)年に完成した高さ328mのオークランドタワーに登ってハーバーブリッジや町の様子を眺めていると少しずつ当時の記憶がよみがえってきました。
セプテンバーイレブンの直後で海外旅行が世界的に敬遠されている最中でしたがAir New Zealandの搭乗率は80%ぐらいもありやはりNZは安全な国なのだと実感しました。
海上からの眺め シャトルタクシー


食料品の持込には特に厳しいお国柄ですがBSEいわゆる狂牛病対策で検査は厳重を極めほとんどの食べ物は持込が認められず廃棄処分にされます。無断で持ち込もうとして検査で発見されると200ドルの罰金を科せられ即時払いという厳しい処置が待っています。でも醤油、味の素、練りワサビ、和ガラシなどは申告したら持ち込みOKでした。
オークランド空港からシティまでは約20KMあります。ここではドア・ツー・ドア・シャトルという値段の安い乗り合いタクシーが便利です。バンスタイルの車の後ろにトランクなどを入れる小さな荷車をつけて走ります。空港から市内まで1人なら20ドル、2人なら24ドルでどこでも希望の場所まで行ってくれます。


宿の予約は現地で
今回の旅行のバイブルはダイヤモンド社の《地球の歩き方》と英語版Jason社発行のモーテル検索カタログ
《Jason's MOTELS& MOTER LODGES NZ 2001》の2冊。
例によって航空券はJALの正規前売り割引航空券の【前売り悟空21】、ヨーロッパ地区の有効期限が1ヶ月だったのに対してオセアニアは2ヵ月間有効なので48日間という長居を計画しました。
ホテルは到着してからの3日間のみ日本で予約したNOVOTEL AUCKLAND、2人で1泊1室¥6600。
その後の宿泊先は現地についてから探すことにしました。
NZにはモーテル探しのカタログは前述のJason's MOTELS& MOTER LODGES NZとAA New Zealand Travel Guidesの2つがあります。大抵のモーテルはどちらにも属していてどこのモーテルでもフロントでこの2種類のカタログを無料で手に入れることが出来ます。勿論本屋さんでも有料で販売されています。
出発前に日本で地図と首っ引きでオークランド市内のモーテルを探していたのが役に立ち、2日目にはかなり気に入ったモーテルを見つけることが出来ました。
市内の中心部を円を描いてぐるぐる回る1回2ドルの《リンクバス》で土地勘をつけてから繁華街にあるニューマーケットという地区でCity Towers Motelというモーテルを見つけました。
なれない英語で一軒一軒部屋を見せてもらい値段の交渉をするのはなかなか骨が折れますがモーテルは大抵何軒か軒を連ねていますので外見で清潔そうなモーテルはまず中も大丈夫です。
値段的には1泊1室120ドルぐらい以上なら設備面でも問題ありません。長期の割引は交渉次第なので粘りが必要です。

City Towersは1泊125ドル、4泊以上115ドル、2週間以上105ドル、4週間以上95ドルというレートでそれ以上の割引はありませんでしたが9月28日から4週間借りることにしました。
以後はレンタカーで北島を巡り、オークランドに帰ったらまたこのモーテルで残りの1週間を過ごすことにしました。
調理道具一式、皿やコップ、ナイフ・フォークも完備で電子レンジ、大型冷凍冷蔵庫、洗濯機もついています。風呂はバスタブがなくシャワーのみというのが少し残念でした。アメニティグッズの補給は毎日、ベッドメイキングと掃除は週2回、専門の女性(ハウスキーパー)がやってくれます。
NZはこの時期桜が咲く春ですが朝晩は少し冷えますので備品のデロンギ・オイルヒーターがとても重宝しました。
重宝したガイドブック CITY TOWERS MOTEL

今NZの若者は待遇のよいアメリカや日本などにたくさん働きに出ていて国内は労働力不足なのだそうです。
そこでモーテルのハウスキーパーなどは周辺の国々からの出稼ぎの女性が多いようです。出身地はフィージー、サモア、トンガ、ニウェ、クックアイランドなど南太平洋の島々です。みんな陽気で明るく働き者で毎月かなりの金額を母国へ送金しているのだそうです。



オークランドは坂の町
旅行ガイドにはあまり書かれてないのですが町の中心部は50〜70mぐらいの丘が重なり合ったかなりきつい坂の町です。中心を南北に貫くメインストリートのクイーンズ通りは南から北へ海に向かって下がっており、その両側は東側も西側もすぐ駆け上がっています。つまり谷底の川のような感じなのです。チョット左右の建物まで行こうと思っても少々息切れがします。ポルトガルのリスボンが坂の町でしたがこれは行く前から覚悟していたので割合平気でした。しかしオークランドの坂道は想像していなかった分こたえました。
そのメインストリートは昼間は韓国、中国、日本などアジア系の茶髪・喫煙族の若い女性たちであふれかえりとても南半球という実感はありませんでした。
オークランドはその昔は火山活動が盛んで今も市内に50あまりの死火山がありそれが観光の名所だったり坂道の原因だったりしています。マウントイーデン(196m)やワントリーヒル(183m)などには観光客は必ず連れて行かれます。外見は九州阿蘇山の米塚(コメヅカ)そっくりです。

クイーンズ通り   古い火山のワントリーヒル


食料品は日本の半値

モーテル住まいの第1日は食料品の買出しです。NZ$1は約¥50でしたのでとても儲かった気がしました。ほとんどの商品は日本の約半額程度です。
たとえばヨーグルト1kg=¥240、食パン1本(700g)=¥90、牛乳2L=¥200、キーウィ1kg=¥35、高級牛ヒレ肉1kg=¥1500、マッシュルーム1kg=¥400、紙箱入りワイン3L=¥600などなど。
どこへ行ってもクレジットカードが使えますので現金はバス代程度でほとんど要りません。
NZのクレジットカードはエフトポスというシステムが大半で使用者はレジで暗証番号を入力します。日本発行のクレジットカードはエフトポスには対応していませんのでレジで《クレジット》と一声かける必要があります。そうすればサインする紙が出てきますのでサインして終わりです。



お金

この国の紙幣はオーストラリアとともにプラスチック製です。皺になりにくいのですがいったん折れ目が出来るとなかなか元に戻りません。コインは1セント、2セントが廃止され端数は5セント単位に切り上げまたは切捨てされています。50セントのコインが一番大きくて重いのですがおつりの都合で財布に3枚も入ると重くて仕方ありません。消費税に当たるGSTは12.5%ですが食料品にはかからずすべての値段は内税です。



ワインは多種多様

ワインはこの国の主要農産物のひとつです。高級な瓶入りのワインから紙箱入りの3L物まで色々ありますがアルコール分が3種類あるのには驚きました。アルコール分5〜6%のソフトワイン、11〜13%の普通のワインそれにシェリーワインといって16〜22%の強いものです。しっかりレッテルを見極めて買わないと失敗してしまいます。

お気に入りの3Lワイン

レンタカー
モーテル住まいの4週間が終わろうとする頃レンタカーを借りるために色々調べてみました。この国はオーストラリア、イギリスとともに車は日本と同じ左側通行なので私たち熟年者でも安心して運転できます。
2人しか乗らないのでそれほど大きな車はいりませんがオートマチック車が慣れていてよいと考えました。
エイビス、ハーツ、バジェットなど大手は1500〜2000CCクラスで税金・保険料込みで1日$70〜$100ぐらいでした。ところが中小のレンタカー屋では$35〜$45ぐらいで貸してくれるとモーテルのフロントで話を聞きました。早速紹介してもらい実車を見に行ったところまずまずの車が2週間借りるなら税金・保険料込みで1日$29でOKとのことなのですぐ契約しました。14日間で日本円では20300円です。1日当たりにするとなんと1520円、車種は日産サニー1500オートマチックです。
数日後受け取りの日にレンタカー屋に行くと[サニーが出払って今ないのでこれにしてください]といわれたのは日産プレーリーのワゴン車でサニーより相当大きな車でした。しかし値段は契約どおりでよいとのことなので少しだけ格上の車を手に入れ喜び勇んで北島一周に出かけました。
1993年製で大阪日産モーターのシールがバンパーに張ってありガラスには大阪西成警察署の車庫証明まで残っています。走行距離は53000kmあまりでしたがこれは当てにはなりません。
オークランドではハイクラスの人は欧州車か日本車の新車を購入し、そうでない人たちや中小のレンタカー業者は日本の中古車を買うのが普通のようです。
実際町を走っている車のシェアーは私の観察では日本車6割、欧州車3割、米車1割ぐらいの割合です。そして日本車は台数の多い順に日産、マツダ、トヨタ、ホンダなので少し驚きました。これは中古車の輸入量の差なのではないでしょうか?(後に訪れた南島・クライストチャーチではトヨタの1人勝ち状態でした)
NZには韓国車がほとんどありません。韓国では右側通行のため右ハンドルの新車・中古車とも少ないせいだと思われます。

レンタカー日産プレーリー    親切なサービスマン


ドライブ
道路はオークランドから南はハミルトンの近くまで北はアルバニーまでそれぞれ60k位の区間がモーターウエイと呼ばれる日本の高速道路並みの規格の自動車専用道で他のハイウェイはごく普通の道路です。市街地は速度制限が50km、郊外はすべて100kmです。オークランドでは交通信号機がありますがその他の地区では200〜300km行っても信号機のないところはたくさんあります。ただしロータリーがあちこちにありますし動物が道路に出てきますので運転は注意が肝要です。
今回はオークランドから南に進みワイトモ洞窟、ニュープリムス、トンガリロ国立公園、タウポ湖、首都ウエリントン、ティッシュペーパー発祥の地ネイピア、ロトルアと北島を反時計回りで3020km走りました。ガソリンは1L約¥50なのでとても安上がりでした。
途中で2回フロントのタイヤが磨耗してバースト寸前の状態だったのですが全国チェーンのタイヤショップへ飛び込み交換、レンタカー会社への交渉もタイヤショップの人が親切にやってくれたおかげで全く自己負担なしでした。


モーテル
ドライブ中は行く先々のモーテルで宿泊です。地方に行けば概ね2人で1泊$60〜$80ぐらいで泊れます。
どこのモーテルも炊事の設備は整っていますので大きな町で食材を整えて自炊です。
どこにでもレストランやコンビニ、自動販売機があるお国柄ではないので昼食も必ずサンドイッチを作って持って出かけます。そうでもしないと昼食を食べ損ねることになりかねません。


日本人経営のモーテル(タウポ) 日本式の温泉


温泉三昧
タウポからロトルワにかけては温泉があちこちで沸いています。温泉がついたモーテルもあります。大抵大きな温泉プールで、入浴といってもみんな水着着用です。しかし日本人の経営するモーテルでは日本式の浴槽がありお湯を外へ思いっきりかけながら入浴できるので感激しました。
ロトルワは17年前に比べてとても観光開発が進んでいてマオリ族の観光施設や羊の毛刈りショーの巨大なドームなど出来ており観光客であふれていました。


すべて生きています   ナウルホウイ山をバックに


富士山そっくり

NZは日本と同じ火山国です。オークランドまでの飛行中に空からニュープリムス近くで、富士山そっくりのエグモント山(タラナキ山)2518mを見たので下から見るのを楽しみにしていましたが、あいにくの天気でほんの瞬間だけしか見えませんでした。でももう1つの富士山型の山、トンガリロ国立公園にあるナウルホウイ山2291mはとてもよく見えました。




伊勢海老が美味しい

オークランドは三方を海に囲まれCITY OF SAILSと言われる海洋レジャー天国ですが魚も豊富で安くとても美味です。鯛の丸焼きもオーブンを使って何回かチャレンジして見ました。また日本のものと全く姿かたちが同じ伊勢海老が捕れ生きたままかなり安く売られています。
1匹500g見当のもの2匹を買い求め塩茹でにしてかぶりついて食べた味は忘れられない思い出です。


生きた伊勢海老1匹¥1300 土産のムートン


お土産

NZのみやげ物といえばムートンや蜂蜜、バターなどが代表的です。
クイーンズ通りの近くのムートン専門店で特別サイズのムートンの敷物を注文しました。日本ではないサイズの130センチx130センチです。450ドル22500円でした。
5日間で出来上がりましたがさすがBOWRONの一級品GOLD STARで、帰国して早速居間で使っていますが日本で買ったものと比べて毛足の長さや色艶が全く違います。


いよいよ帰国
滞在中に半国営のニュージーランド航空の経営危機がありましたが政府の決断で国家資金を注入して危機が回避されました。今回のJALの正規前売り割引航空券【前売り悟空21】はJALの機材ではなく共同運航便でニュージーランド航空の機材が使われています。したがってもし経営破たんすれば私たちの帰国する航空機がなくなるところでしたが幸いその心配はありませんでした。
しかしとんでもないところで心配なことが出来ました。
11月9日、09:30オークランド発NZ97/JL97関西空港行きの飛行機に乗ろうと空港に行ったのですが、目の前に飛行機が着いているのになかなか乗せてもらえません。飛行機はB767でエンジンは2基です。
そのうちエンジニアが3人脚立を持って右側のエンジンのカバーをあけてなにやら始めました。
遠くからなのではっきりとは判りませんがどうも油圧機器の不調でオイルを補給しているような感じでした。
昔自動車の潤滑油を回転部分に注油するために使っていたグリスアップポンプのようなものを手で動かしながらの作業でした。
時間はとうに11時を過ぎていました。あちこちで《もう今日の便はキャンセルだな》などとささやきが聞こえます。
突然エンジンの試運転が始まりました。とてつもなく黒い煙がもうもうと立ち込めたかと思うとすぐエンジンを止めてまたカバーをはぐりグリスアップポンプのようなものでの作業です。
3回ばかり黒煙の出る試運転の末それではご搭乗くださいとのこと。もう12時半です。所定の時刻より3時間も遅れています。
みんなが乗り終わるとエンジン始動ですが私は調子の悪いエンジンのすぐそばの席でした。またまたものすごい黒煙で火災が起きないかひやひやものでした。でも機長はこれから出発しますと言って12時55分に離陸しました。上昇中も水平飛行に移ってからもいつ右側のエンジンが止まるかと関西空港に着くまでの11時間30分の間ビクビクものでした。
(機材=B767−300 機体番号=ZK−NCE この後2002年4月7日にも同じ飛行機に乗りました)

怖かったーB767 また行きたいなNZ



今回旅行の費用一覧(2人分)

航空運賃・空港税 ¥242280
国内交通費・宿泊費 ¥36288
NZ宿泊費 ¥223544
レンタカー・ガソリン ¥34132
食費・観光費・その他 ¥133023
お土産と買い物 ¥48909
フィルムと現像・焼付け ¥21111
合計 ¥739287



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